アニメ『日常』の主人公は誰なのか

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『日常』を視聴していると、ふとした疑問が湧きました。「『日常』の主人公って、誰なんだ?」と。すぐさま検索してみると、同じように『日常』の主人公が誰なのか迷っている人が見受けられました。ためしに「Yahoo!知恵袋」や「Twitter」で「日常 主人公 ○○(キャラ名)」で検索をしてみてください。きっと、迷っている人がたくさん見つかります。

そこで、アニメ『日常』において、主人公は一体誰なのかという問題に当たりをつけてみようと思います!

ただし、今回はアニメ版限定で検証することとします。理由としては、原作全10巻のうちアニメ化した内容は6巻までで終わっていること。そして、連載前のプロトタイプ版に登場した鵜飼まみが原作にのみ一部登場していたことなど、原作準規ではアニメとの差異が出やすくなってしまうためです。

目次


公式サイトにて

ものすごく単純な話ですが、公式サイトを確認してしまいましょう。きっと結論が出るはずです。ということで、京都アニメーションが制作した、アニメ版『日常』のキャラクター紹介ページです。

「日常」京アニサイト【登場人物】

「メインキャラクター」として紹介されているキャラは6人です。上から順に、相生裕子(ゆっこ)、長野原みお、水上麻衣、東雲なの、はかせ、阪本となっていました。はい、結論が出ましたね。『日常』の主人公は「ゆっこ」でした〜!・・・と考えるのは少し尚早かもしれません

この6名がメインとして扱われている以上は、このうちの誰かであることは間違いなさそうです。ただし、麻衣と阪本に関して言えば、重要キャラクターであることは否定しないにせよ、話の主要人物とは考えにくいでしょう。麻衣はあまり喋ることがありませんし、阪本は、どちらかというとなのとはかせを少し外から眺めている機会が多いためです。

したがって、今回はゆっこ、みお、なの、はかせの4人に絞って検証したいと思います。

第1話から検証

本編が始まり、最初のシーンは学校です。教室で、ゆっことみおが雑談をしています。本編の最初に登場するだけあって、どちらが主人公であってもおかしくはないように思えます。この時点では、どちらも対等に扱われているようです。

東雲研究所

なの

続いて舞台は東雲研究所の庭へ移ります。なのが魚を焼いていると、目を覚ましたはかせが、なのに話しかけます。ここでも、ゆっことみおのように、まだどちらが主人公なのかは曖昧で、共に対等な扱いがされているように思えます。

その後、なのが焼いていた魚を猫が持ち逃げする場面から、なのが主人公的な役回りになっていきます。具体的にいうと、このアニメで最初に思考の内面がセリフとして描かれたのは、なのでした。挙句、なのは丁字路で青年と衝突し、大爆発を起こしました。

本編において最初の重要(に見える)イベントを引き起こしたのが、なのでしたので、主人公ではないかという仮説を立ててもいいでしょう。それにしても、平穏そうな街に大爆発の様相が描かれ、それをバックに『日常』というタイトルテロップが浮かびあがるのは、いささか凄まじい『日常』が始まったなと思わされますよね。もっとも、この演出については原作と近似しており、全話を視聴したいま改めて見返してみると、いかにも『日常』らしい始まり方だと思えるのですが、その素晴らしさを言語化しようとするのをここでは断念しておきます。

はかせ

はかせは、東雲研究所パートにおいて、なのと同等で、話のメインとして存在します。しかしながら、東雲研究所から外に出ることがほとんどないため、なのに比べて行動が減ってしまい、『日常』全体を通して見ると、なの程には主人公的なキャラクターといえないかもしれません。

学校パート

ゆっこ

話の主軸は再び、ゆっことみおに戻ります。ゆっことみおは、朝の通学路で遭遇します。ゆっこが挨拶の意味で「スラマッパギ!」と声をかけますが、それに対してみおは「おはよ〜」と普通の挨拶で返します。ここです

先ほど、なのの心の声がセリフとして表現されていましたが、ここではゆっこの内面が「スラマッパギ、素通り?」というセリフとして表現されました。このシーンにおいて、主役はゆっこであり、みおはあくまでサブキャラとして存在していたのです

2人が歩いていると、なのが引き起こした(巻き起こした?)大爆発によって吹き飛ばされた「こけし」と「赤べこ」、そして「しゃけ」が、登校中のゆっこの頭に直撃します。みおはその場に居合わせますが、当事者としてイベントに遭遇しているのは、あくまでゆっこの側です

さらにいうと、2人で歩いている際、ゆっこの視線は画面右側、上手(かみて)視聴者側を向いていますが、みおの視線はゆっこの方へ、下手(しもて)側、視聴者とは反対側に向いています。このことからも、ここではゆっこがメインに描かれていると考えていいかもしれません。

2人が学校に到着し、麻衣が登場してもなお、メインとして描かれているのはゆっこです。その後細かい別キャラクターたちの話を挟み、再び学校パートの話に戻ってきた際、お弁当のウィンナーで一悶着が巻き起こるのですが、そこでも事を起こしたのはゆっこでした

みお

ここまで、ゆっこと同時に登場し、横に並び続けているみおではありますが、少しずつ自分自身が主役としてイベントの引き起こす場面も増えていきます。みおの内面が描かれる機会も増えていきます。笹原の話や、同人漫画のネタに関しては、完全にみおがメインの話でしょう。また、ゆっこが何かを引き起こした際には、ゆっこと対等の立場で物事を引っ掻き回すことが多く見受けられます。そのことから、視聴者は「ゆっことみおはどっちが主人公なのか」 という疑問を抱いてしまうのかもしれません。

ただし、みおはどちらかというとツッコミの役回りが強いため、どうしても「ゆっこの親友」という立ち位置にはなってしまいがちです。

表記からの推測

エンドロールの並び

アニメに限らず、映画やドラマなどの映像作品では、エンドロールに流れる登場人物の名前は主役からというのが慣例ですよね。一番最初に表示されるキャラクターこそ主人公と考えるのが一般的でしょう。では、アニメ『日常』のエンディングを再生してみてくだい。

どうですか?** 一番最初に登場したキャスト名は「東雲なの」ではありませんでしたか?**そうなのです。先ほど、公式サイトにて確認し、結論が出たはずの「ゆっこ主人公説」はまだ確実ではなかったのです。

OP映像から分析

エンディング同様、各話のオープニングムービーは基本的に主人公が目立つように作られていることが多いでしょう。あくまで一般論ですが。

さて、そう思って『日常』のオープニングをみてみると、最初に登場するのはゆっこでした。ゆっこ、麻衣、みおが並んで登場する際にも、センターを張るのはやはりゆっこです。何も知らずに視聴すれば、ゆっこが主人公と思えるような作りといっていいかもしれません。

中盤、東雲研究所ブロックの映像に切り替わると、今度はなのが独壇場のシーンがあります。ただ、その後また、ゆっこたち3人組のブロックが発生しています。初見であれば、主人公はゆっこか、あるいは本編でゆっこと張り合うみおではないかと思えてしまうこともありえそうですね。全26話中、前半13話までの1クール目においてオープニングをみる限りでは、「なのは重役だが主人公には見えない」といったところでしょうか。

ただし、エンディングムービーにおいては、1クール目からゆっことなのがそれぞれ曲の8小節分ずつ単独で登場しています。加えて2クール目、14話以降のオープニングでも、ゆっことなのはそれぞれが目立つようになっています。

ゆっこ・なの Wヒロイン説

こうして考えてみると、Wヒロインという説が濃厚になってきましたね。たしかに最初は「ゆっこたちパート」と「東雲研究所パート」に分かれていましたが、2クール目になのが学校へ通うようになるのと同時に、ゆっことなのの日常は強く交錯し始めました。原作では、なのは最初から学校に通っていました。アニメ化する際に、あえて時系列順に話を展開し、別の環境にいる2人をWヒロインとして配置していたことが、アニメ2クール目になって物語に活発さを生み出したというわけです

結論

状況証拠から察するに、『日常』の主人公は「ゆっこ」と「なの」の2人ではないかというところまでは推測ができました。

しかしながら、本当に彼女たちだけが『日常』における主人公なのでしょうか? 公式サイトに「メイン」とあったキャラクターたちについては、主人公などではなく、あくまでもメインキャラクターという位置付けだけなのかもしれません。

たとえば、ヤギで登校する笹原、それを許可する桜井先生にだってメインの話はありました。桜井先生に恋心を寄せる高崎先生も、笹原につきまというようにしながらも照れて銃器を放ってしまう立花みさと、囲碁サッカー部部長の大江健三郎に、桜井先生の弟である桜井誠。そして滑り続ける校長にさえ、少しずつではありますが、見せ所はあります。

続々と登場する彼らもまた、彼らの日常を主人公として生きているのでしょう。そう思って改めて2期のEDを見たらはっきりとしました。街で行き交う登場人物や、登場していない人物が、彼らなりの暮らしの中ですれ違ったり、行き違ったりしている様子が描かれていたのです。

彼らの住む時定市で、みんながそれぞれにとっての暮らしを主人公として生きている。そんな『日常』を描いたのがこの作品だったのです。


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