【スロウスタート】4月に観たい!みんながいて、ゆっくりしあわせ。

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新春という言葉は、お正月を表します。年の初めが1月からというのは常識もいいところでしょう。それでも、寒さを忍んでうららかな花が咲く頃になってようやく「新しい1年の始まり」が実感できるのではないでしょうか。

そんな4月に観たい、2018年の春アニメが『スロウスタート』です!

『スロウスタート』はたとえるなら「春のように少し暖かい、優しい気持ちでゆっくりスタートを切れるアニメ」といった感じでしょうか。

目次


この物語は、花名が高校に入学するところから始まるのですが・・・。主人公・花名は、ある事情から実家を離れ、いとこの志温が管理人を務めるアパートに一人暮らしをしています。人見知りでいつもおどおどしている花名は、新しい街に、新しい学校に、新しい人間関係にうまく馴染めるかどうか、不安でいっぱいでした。あまりにオロオロとしているため、まるで画面越しに花名を見守っているかのような気持ちになってしまいます。

でも、そんな心配も最初だけ!『スロウスタート』は、花名に関わる登場人物みんながあたかも「花名を安心させるために自然と動いてくれている」かのように思える、とても温かい話です。初めてのことだらけで不安な花名が自分らしく、安心していられる居場所を見つけ少しずつ大人になっていく様子を描いた、心がほっこりするアニメなのです!

優しくて泣き虫な主人公・花名

花名にできること = 覗き見

新しい学校での初日。地元が近い生徒たちが、友達の輪を作りはじめていました。地元を離れ一人暮らしをしている花名には、知り合いがいません。周囲に気を取られながらも「どうしよう、どうしよう」と廊下で立ち尽くすのみでした。そんな花名に声をかけたのが「たまて」こと、百地たまて(ももち たまて)です。たまては「おはようございますー!!」と元気よく花名へ挨拶をくれたのですが、その勢いに驚いたのか、花名は返事ができませんでした。たまてはというと、みんなに次々と挨拶をして回っていたため、花名には特に目もくれず、行ってしまいました。

その後たまては、同じ中学出身の「えいこ」こと十倉栄依子(とくら えいこ)と再会すると、同じく栄依子と再会を果たしていた「かむ」こと千石冠(せんごく かむり)と初対面の挨拶を済ませ、3人固まって雑談を繰り広げます。

その時、花名が何をしていたかというと、3人が話している様子を、教室の外から覗いていました。花名は、3人が楽しそうにしているのを見つめながら「私なんて挨拶ひとつ、ろくに返せないのに」と、たまてからの挨拶に応答できなかったことを後悔し、自責の念にかられているだけだったのです

そんな花名に、どうやって友達ができたのでしょうか。視聴者の中には、学生時代に同じような体験をしていた人もいることでしょう。でも、安心してください。『スロウスタート』はこれから先、みんなが花名のことを安心させてくれます。つらいかもしれませんが、花名と一緒にもう少しだけ耐えましょう・・・!

大切な友だち

新しいクラスといえば、自己紹介。花名は生まれ持った「一ノ瀬」姓のため、一番最初に自己紹介をすることに。持ち前の緊張しいによって、ビクビクしながら簡素に話し終えると、担任である榎並先生からひと言。「一ノ瀬。お前、今日が誕生日なんだな」。しかしこの言葉、花名にとっては何のフォローにもなりませんでした。

一見すると、先生は話のネタを提供してくれたようにも思えるのですが、話すのを得意としていない花名にとっては、それを言われたところで話の転がしようがありません。まして、花名には誕生日を後ろめたく感じる理由があったのですから・・・。この時点では明かされていませんが。

たまて

そこで、たまての登場です!誕生日が公開され、クラス中から注目された花名が黙ってしまったことで、教室は沈黙に包まれます。そんな重たい空気をぶち破ってくれたのが、たまてでした

たまては手を叩き、ひとり立ち上がると「おめでとうございます!お誕生日一番乗りですね!」と、廊下側最後列の席から、窓側最前列の花名に向かって声をかけてくれたのです!すると、たまての明るい祝福につられたクラスメイト全体から拍手が生まれ、好き好きに「おめでとう!」などと声をかけ始めました。こうして、教室の雰囲気が一気に明るくなったのです。たまてのおかげで、花名の自己紹介は無事に大団円を迎えました。緊張していた花名は、さぞ安心したことでしょう。

放課後、学校前で配られていた交通安全のおまもりをたまては「誕生日プレゼント」と称し、花名に渡します。本当の意味での誕生日プレゼントとは言い難いですが、初めて話すきっかけとしては、気持ちの良いものでしょう

たまてが花名におまもりをプレゼントしているのを見たのか、栄依子と冠もすかさず、花名におまもりを渡します。これが4人で最初に話した瞬間です。そして、ここから先は4人の話が『スロウスタート 』の主軸となっていきます。

こうして4人は少しずつ仲を深め、花名にとって、そして他の3人にとってもかけがえのない、安心できる居場所となるわけです。彼女たちが仲良くなる最初のきっかけは、たまての気さくなコミュニケーションにあったのです

栄依子

栄依子は、端的にコミュニケーション長者です。学校が始まって1週間も経たないうちにクラスメイト全員を下の名前で呼んでいたり(2話)、たまてが持ち込んだギャルゲーをプレイしてみれば、わずかな時間で全キャラの恋心レベルをマックスにしてしまう(6話)など、コミュニケーションに関することでは敵なしでしょう。ただし、榎並先生に対してだけは常に完敗といったところですが、ここでは割愛します。

さて、そんな栄依子にかかれば花名もお手の物・・・。というのはおそらく間違ってはいないでしょう。が、何も栄依子は、他人を下手に弄ぶようなことはしません。持ち前の人心掌握スキルは、あくまでも好きなみんなと楽しく過ごすために使うのです。

栄依子がそのコミュニケーション能力の凄みを最初に見せつけたのは、花名に対してでした。入学初日、先ほど記述した「おまもりプレゼント」の流れから、栄依子は花名に「(みんなで)一緒に帰ろう」と誘いました。しかし、花名はというと、はじめましての3人に対しておっかなびっくりです。戸惑い俯き、うまく返事ができずにいました。そんな花名の様子を見た栄依子は、花名の手を優しく握り、「遠回りになるけど、(桜を見に)駅前まで一緒に行かない?」と声をかけます

花名は、徒歩圏内に住んでいるため、みんなと一緒に帰るというほどの距離でもなく、かといって、みんなの家の方まで一緒について行くのは変に思われないか、と悩んでいたのです。栄依子は、そんな花名の悩みを見透かしているかのように、花名を連れ出すための言い訳として、桜を見に行こうと伝えたのです。これがコミュニケーション強者か・・・・! と言わんばかりですよね。

栄依子が花名の躊躇を見透かしたかのように見えたのは、その描写がきちんと描かれていたからです。それは、花名が俯いているのに気が付いた栄依子が一瞬見せた、優しくてあたたかい、まるで子を安心させようとする親のようなまなざしでした。

栄依子の気遣いによって、花名はみんなに受け入れてもらえていることを確信できたのでしょう。安心してみんなと一緒に帰ることができました。

かむ

冠にとって大切なのは栄依子です。紛れもなく、栄依子ひと筋です。栄依子が星尾女子高校に進学する “かもしれない” という、小耳に挟んだわずかな情報だけを頼りに、自身も星尾女子高校へ進学してしまうほどです。2人は、小学生の頃にたった数回遊んだだけだったにも関わらず、冠にとって栄依子はそれだけ大切な存在となっていたのです。また、アニメにはその詳細こそ出てきませんでしたが、冠のみならず、千石一家は訳あって栄依子のことを要人扱いしているほどなのです。

基本的には栄依子のことしか眼中にない冠ですが、コミュニケーション強者の栄依子にくっついている以上、色んな人と話す機会が発生てしまいます。といっても、冠は人見知りなため、知らない人とうまく話せません。実際、たまてと初めて対面した際には、栄依子の影に隠れてしまいました。ただ、側に栄依子がいたからか、はたまた自分よりもおどおどしている花名を見たからでしょうか。冠は、栄依子やたまてと同様、自然と雑談を楽しんでいるようです。あるいは、害がないと判断されたのでしょうか。

冠は、たまてや栄依子のように最初から花名へ対して積極的に話しかけていたわけではありません。実際、花名の家で勉強会を開いた際(3話)、栄依子が席を外し、たまてと花名と冠の3人だけになった際、冠はモジモジしはじめます。たまてと花名が詰め寄ると、おっかなびっくりと逃げ出してしまいました。この時点ではまだ、栄依子がいないとちょっと緊張してしまっていたのかもしれませんね。

そんな冠ですが、5話にもなると、花名とふたりで一緒にアイスを食べながら廊下を歩いています。3話で見せたモジモジは微塵も感じられません。平然としています。特段、気まずそうなこともありません。

冠が警戒心を解いてくれたというのは、花名にとっても安心できることでしょう。一緒に過ごす友達から警戒されていたら、落ち着きませんからね。

こうして、たまて、栄依子、冠が花名にとっての安心できる居場所となりました。

まとめ

新しい季節は、必ずしもポジティブな気持ちだけを運んできてくれるとは限りません。花名は当初、新しい学校でうまくやっていけるのかを不安に思っていました。それでも結果として、素敵な友達に恵まれ、少しずつみんなと打ち解けていくことで、自分が安心できる居場所を手に入れることができました。

それはもちろん、たまてが、栄依子が、そして冠が、花名に対して丁寧に接してくれたからに他なりません。ですが、花名自身が勇気を出してみんなと関わろうとしたということは、非常に大切なことだったのです。実際、勉強会をしようと言い出し、一人暮らしをする自分の家にみんなを誘ったのは、紛れもなく花名自身の勇気によるものでしょう

  みんなが花名を受け入れたように、花名がみんなを受け入れていることをきちんと伝えるようにしたからこそ、花名にとっても、みんなにとっても、4人でいる時間がかけがえのないものになったのかもしれません


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