アホかわロジカルラブコメディ!【理系が恋に落ちたので証明してみた】

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2020年1月、注目のラブコメ作品『理系が恋に落ちたので証明してみた』は、もうチェックしましたか?

完全理系脳の男女が「好き」という自分の気持ちを証明するために実験を繰り返すという、頭が良いんだか悪いんだか形容しがたい2人の恋路を見届けるこの作品は、1話からアホ全開トキメキ全開のラブコメディでした!

はたして、論理を極めすぎた2人は「恋」を証明できるのでしょうか!? ぜひ、知的なバカップルを見てニヤニヤしちゃいましょう!

目次


「好き」を定義せよ

物語は、1話の冒頭。彩玉大学理工学研究科大学院に属する1年生・氷室菖蒲(ひむろ あやめ)が、同じ研究室に所属する同期の雪村心夜(ゆきむら しんや)に対して、前触れもなく 「あなたのこと好きみたい」 と告げるところから始まります。

理工学専攻者という属性を紋切型にしたような2人は、繰り出される言葉のほとんどが論理的で、日頃のコミュニケーションにおいては、それが雑談であろうと話を論理的に組み立て、エビデンスを求めます。しかし、そんな2人も氷室による突然の告白以来、少しずつロジックが綻んでいきます

それまで冷静に話していたはずの氷室は頬を赤らめ、雪村は手にしていたお菓子を落とします。キーボードをタイプするそれぞれの手は、歯車が狂ったかのようにデタラメな動きを見せはじめます。まるで脳が処理落ちしてしまったかのようです。はじめて異性に向けた、そして、はじめて異性に向けられた「好き」という気持ちについて論理的に説明する方法を、2人は持っていませんでした。

雪村は、これまで恋愛経験がないことを表明すると、告白してくれた氷室のことを好意的に思ってはいるものの「好き」かどうかはわからないと伝えます。そこで、わからないことがあればまず定義から入るのがこの2人。雪村はこう切り出します。「氷室は何を証拠に俺を好きだと判定した」

そう問われれば、きっちり論理的に返すのが氷室です。雪村の問いかけに納得を示し、「かくたる証拠もなく判定するのは、理工学専攻失格ね」 と返します。この言葉を皮切りに、「好き」という気持ちがいったい何なのかを証明するための実験が始まります。

「恋愛」とは何か。「好き」とは何か。それを理解しようと試みることはとても知的な営みでしょう。いや、知的ははずなのですが、こと自分たちの気持ちについて、相手を好意的に思っていることがわかっていて、そのうえお互いが好意的な感情を持っていることまでわかっていて、それでも心に抱えた気持ちが本当に「好き」なのかどうかを客観的に証明できなければ認めないというのは、はたして知的なのか、あるいはアホなのか・・・。いずれにしても、お似合いな2人であることは間違いなさそうです。

「好き」という気持ちは主観ですから、客観的にデータを取るのは難しいでしょう。では、どのようにして証明するのでしょうか。そこで氷室は「好き」に該当するであろう要素を書き出して、その割合をグラフにしていきます。自分がいつから雪村を意識しはじめたのか、あるいは、夢に出てきた雪村と手を繋いでいたのはどういう意味なのか。2人は議論を重ね、仮説を立てていきます。結論を導くために、恋愛感情として一般的に「好き」といわれる事柄と氷室自身の感情をとの共通項を比較し、氷室が雪村を好きなのかどうかを、あるいは、氷室に対して雪村が抱く好意的な感情が恋愛としての意味なのかを証明するための研究が始まるのでした

照れあう2人

普段クールな氷室は、突然ながら雪村に告白するだけの度胸がある一方で、好意を抱く雪村に対してベタベタとくっつくような真似はできません。雪村が氷室に対して抱く好意が見える仕草としては、尻尾(に見立てたポニーテール)を、喜ぶ犬のように揺らすぐらいしかできません。

しかし!!!

2人は告白という段階を通過し、「実験」というフェーズに突入しています。氷室が雪村を好きであることを証明し、かつ、雪村が氷室に対して抱く好印象が「好き」かどうかを証明するステップへと突入しています。というと、何やら研究と思えなくもないですが、一般的な男女であればこれはデートにあたるのかもしれません。実験というデートを通じて、お互いの気持ちを確かめていく過程にあるのです。

おそらく、この時点で氷室は雪村をデートに誘うほどの勇気はないかもしれません。しかしながら、あらゆる行為はそれが証明のために必要なことであれば、実行できてしまうのが2人です。いわば、「実験」という免罪符を手に入れたようなものです。その冷製沈着に思える性格から、雪村にベタベタと甘えるなんてことはしなさそうな氷室でも、実験とあらば雪村に肩を回してくっつくことができてしまうのです

研究という遠回りな言い訳を使うことで雪村にくっつく氷室は、はたして甘え下手なのか、甘え上手なのか・・・。いずれにせよ、顔を赤らめて幸せそうにしていました。

また、この時点では氷室の一方的な好意であり、「好きかどうかわからない」と言っていた雪村も、氷室に密着されてしまえば、満更でもなさそうに顔を赤くしています

なんだかんだいって、とてもお似合いな2人ではないでしょうか。というより、外野から見れば純然たるバカップルのようです

研究はむずかしい

実験の再現性

「恋愛といえば壁ドンだ」という仮説にたどり着いた2人は、壁ドンをして心拍数が上がれば、その時に発生している気持ちは恋愛感情なのではないかという考えから早速実験に移ります。雪村から壁ドンをされた氷室は赤く照れ、ものの見事に心拍数が上昇します。

しかし、根っからの研究肌な2人は、1度の実験では満足しません。壁ドンによる心拍数増加が偶然ではないことを証明するためには、「何度やっても同じ結果が出る」を証明しなければなりませんでした。そこで壁ドンを繰り返してみたのですが、なんと途中から氷室の心拍数に増加の傾向が見られなくなったのです!やはり、雪村の壁ドンに氷室の鼓動が高鳴ったのは偶然だったのでしょうか...。と、氷室から横槍が入りました。

氷室は、先ほど雪村が行っていた壁ドンの様子を収めた映像を、モーションキャプチャで確認しました (実験の際にきちんと映像を残したうえで、あらゆる可能性を検討するためにモーションの観点からも分析を試みるというのは、さすが研究生ですね!)

すると、雪村の壁ドンの動きは「力士の張り手」と酷似していたのです!つまり、雪村の壁ドンは壁ドンにあらず、正確には張り手だったのです!!

実験は失敗です。「氷室は雪村の壁ドンによってドキドキするのか」という実験において、正しい壁ドンが行われていなかったというのであれば、取得できたデータにも意味がありません。改めて同じ実験をやり直すか、はたまた「壁ドン以外の恋愛的な行為でも、心拍数が上がる」という方向にもっていくのか。考えられることは他にもありますが、いずれにせよ、氷室が雪村を好きだと決めつけるのはまだ早いのかもしれません。なぜならば、2人は客観的に証明できないと「好き」かどうかを認められないのですから・・・

ドキドキするのは恋愛だけじゃない

ここであえて、2人のことは忘れて、一般的な境地から考えてみましょう。普通、たとえ好きな相手からであったとしても、その場で何度も壁ドン繰り返されたら慣れてしまいますし、冷静にもなってくることでしょう。

しかし、2人にはそういった視点がないのでしょうか。あくまで、雪村が正確に壁ドンを行った場合において、氷室の心拍数の上昇に再現性があるかを知りたいようです。2人の議論を見ていた研究室の人間から、「恋愛っていうのは、数字とかデータで測れるものじゃない」 という、至極まっとうな指摘が繰り出されるやいなや、雪村は、根拠と反例を示すようにと突き返します。きっと2人の性質は、どこまでいっても研究者なのでしょう。研究に対するこれだけの真摯さが、願わくば世の中の役に立つものだと信じたい限りです

さて、他にも実験を行い、一連の結果をデータ化してみたところ、一般的な恋愛行為と同じ状況において氷室の心拍数が連動して上がっていたことがわかり、氷室が雪村に対して抱えている感情と「恋愛」とされているものとの間には多くの共通項がみられました。以上のことから、氷室が抱える感情が「好き」であると証明はできました・・・という結論が出かかったところで、2人はある可能性に気がついてしまいました。残念ながら、証明はまだ不完全です

たしかに、他人に対して恋愛感情を抱いている人にみられる傾向として、「心拍の上昇」や「体温上昇」、「顔のほてり」などがあり、それらは壁ドンを含めたいくつかの実験に通じて、氷室にもみ見受けられました。しかしそのような症状が表れるのは、なにも恋愛の時だけではありませんよね。そうです、2人は気がついたのです。若年性の更年期障害であるという可能性に・・・!

2人は研究者として、常にあらゆる可能性を考える習慣を身につけています。数回の実験だけで簡単に結論を出すような真似をするはずがなかったのです。

恋愛としての「好き」を証明するということは、そのドキドキが恋愛によるものであることを証明するということです。裏を返して、氷室が感じているドキドキの原因が、恋愛以外である可能性をできるだけ減らしていくことが必要です。はたして、氷室と雪村は実験に耐えられるのでしょうか。そして、この研究に、結論は出るのでしょうか・・・!

まとめ

研究者というのは、その研究がいつ実を結ぶか不明です。場合によっては、生涯をかけて研究を続けても解明できないことだってあるかもしれません。はたして、2人の研究が終わることはあるのでしょうか。というより、氷室と雪村は生涯に渡ってこのテーマを共同研究していけばいいのではと思うばかりです・・・。 2人の恋路、もとい研究の行くすえは、ぜひ本編にて確認してみてください!


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